東洋紡、本町ビルを売却 |
東洋紡「本町ビル」売却──大阪・堺筋本町、周辺再開発に弾み
日経ネット関西版2007/09/22
東洋紡は9月中にも地下鉄堺筋線堺筋本町駅の真上にある「本町ビル」(大阪市中央区)を売却する。百数十億円で不動産関連会社に売却、2007年度中に引き渡す。同ビルの周辺には老朽化したビルの売却や高層化計画が増えており、御堂筋中心に進む本町の再開発の流れがさらに広がる可能性がある。
同ビルは地上9階、地下2階建てで、賃貸面積は約1万200平方メートル。築46年と老朽化は深刻で今年5月に火災が発生したこともあり、資産価値の下落が懸念されていた。同物件の簿価は50億—60億円前後とみられ、売却により50億円以上の利益が出る見通し。
本町ビルが面する本町通り沿いでは、堺筋本町駅の隣の地下鉄御堂筋線本町駅の真上に積水ハウスが高層ビル「本町ガーデンシティ」を開発中。最高級ホテルのセントレジスが進出する予定だ。19日に大阪府が公表した基準地価調査では近隣の中央区瓦町2丁目地点の地価が前年比約3割上昇。開発業者の取得意欲も高まっている。
大阪駅北ヤードの開発が始まるなど、2010年ごろから梅田地域にオフィスや商業ビルの開発が集中する。老朽ビルの売却や改築が進まない限り、梅田の中心部からの交通の便が悪い堺筋一帯が地盤沈下する可能性が指摘されている。堺筋沿いでは、近隣の北浜にある三越跡地に日本一の超高層マンションができるなど開発が進みつつある。
公式のプレスリリース(2007/9/5付け)も発表されましたので貼っておきます。売却先はSPCと思われますが、実質的にどこが主体のものかまだ掴んでいません。
東洋紡は賃貸不動産を保有しており、今回の本町ビル(昭和36年竣工)もその一つです。繊維のリストラを進め、高機能商品(液晶関連、フィルターなど)へのシフトを進めるのはいずれの企業も同様と思われます。特に東洋紡は新工場の建設を行い、引き続き有利子負債の圧縮を進めるためビル売却を決定したものと推察します。
石油関連の企業といえば、タンカー事業を行っている飯野海運の飯野ビル(虎ノ門、昭和35年竣工、設計施工・清水建築)の取り壊しについてもいずれ項を設けなければなりません。飯野ビル級の優れた商業建築の取り壊しが従来の近代建築の評価の中では殆ど注目を受けないと言うことが、企業不動産に特にフォーカスした面的なリサーチを行う必要を感じさせ、本ブログ開設のモチベーションの一つになっているのですが…、これも改めてブログ公式開設(10月1日)の際に述べることにしましょう。