ダム水没予定地の村でのイベント「五木の子守唄祭」の様子を、熊本日報が伝えています。
五木の子守唄に合わせ、子守り姿で踊りを披露する五木東小の児童=五木村
水没予定地で子守唄祭 五木村
くまにち.コム:2007年11月11日 08:35
川辺川ダム計画の水没予定地にある球磨郡五木村の旧五木中グラウンドで十日、恒例の「五木の子守唄祭」が開幕した。村内の小・中学生らが歌う哀調に満ちた子守唄のメロディーが、紅葉で染まる山里に響いた。十一日まで。
実行委主催で十九回目。和田拓也村長が「五木の人情、自然、産物を味わってほしい」とあいさつ。テープカットの代わりに、丸太をのこぎりで切り落とした。
ステージでは、五木東、北、西の三小の児童が次々と登場し、正調・五木の子守唄などを合唱。五木中の生徒は子守唄、山で切り出した木を搬出する際に歌う木遣(や)り唄に続き、卒業生が作詞した「風の子守唄」を情感こめて歌い上げた。
五木東小の女児五人は子守唄に合わせ、子守奉公姿で踊りを披露。豚汁などを大なべで炊き、訪れた人にふるまう芋煮会もあり、にぎわった。
また、九月に高台の代替地の新校舎に移転し、本年度内の取り壊しを待つ旧五木中の木造校舎を公開。歴代の卒業生の集合写真などが展示され、村人は板張りの廊下を、名残惜しそうに踏み締めていた。
十一日は下谷、田口の両地区に伝わる太鼓踊り、木遣りの実演、村内の正調の歌い手らも交えた子守唄コンクールなどがある。(木村彰宏)