近鉄、日本一の高層ビル建設に向け信託受益権を買い戻し |
770億円で阿倍野橋駅ビルを買い戻し、近鉄が高さ日本一のビル開発に備え
日経不動産マーケット情報:2007.11.19
近畿日本鉄道は2008年2月、大阪・天王寺の阿倍野橋ターミナルビルの信託受益権を取得する。価格は770億円だ。同社は2003年、機関投資家にいったんビルを売却していたが、建て替えのために買い戻す。新しいビルの高さは300mで、296mの横浜ランドマークタワーを抜いて日本一になる。
阿倍野橋ターミナルビルは、近鉄の大阪阿部野橋駅と近鉄百貨店の複合ビルだ。地上12階地下4階建てで、土地面積が約2万m2、延べ床面積は約15万4000m2。現在の所有者は東銀リースが設立した特別目的会社(SPC)で、機関投資家が出資するほか、近鉄も少額出資している。2003年当時の取引価格は650億円だった。
近鉄は2014年春の竣工をめざして、取得した建物の一部を店舗、オフィス、ホテルの複合ビルであるタワー館に建て替える。地上59階地下5階建て、延べ床面積約21万m2になる。外観設計はシーザー・ペリ氏が手がける。
なお、日本一の高さとなる再開発ビルの概要については下記の記事で伝えられる通りです。8/8付けの近畿日本鉄道のプレスリリースもリンクしておきます。現状については「東京・大阪 都心上空ヘリコプター遊覧飛行」さんが航空写真等で詳細にレポートしておられます。バブル期から日本一の高さにする計画があったのですね。
近鉄百貨店建て替え 阿倍野に日本一高層ビル
読売新聞:2007年8月9日
近畿日本鉄道は8日、近鉄百貨店阿倍野本店が入居する阿部野橋ターミナルビル(大阪市阿倍野区)の旧館部分を建て替え、百貨店やホテル、オフィスなどからなる超高層複合ビルを建設すると発表した。地上59階地下5階で高さは約300メートルとなり、横浜ランドマークタワー(横浜市、296メートル)を抜いて日本一となる。同日、大阪市内で記者会見した近鉄の岡本直之副社長は「“平成の通天閣”として親しまれるビルにしたい」と語った。
総事業費は700億〜900億円で、2014年春の完成を目指す。延べ床面積は約21万平方メートルで、地下2階〜地上14階部分に近鉄百貨店が入居する。建て替え後も残る阿部野橋ターミナルビル新館部分の同百貨店と合わせ、百貨店の営業面積は約10万平方メートルとなり、松坂屋名古屋本店(名古屋市、8万6758平方メートル)を抜いて、国内最大となる。中層階はオフィス階となるほか、上層階は客室約400室の高級ホテルが入る予定だ。
大阪ではキタで梅田北ヤードの開発が進み、11年には阪急百貨店梅田本店の建て替え、三越大阪店の出店、大丸梅田店の増床が予定されている。ミナミには高島屋大阪店の増床や南海電気鉄道難波駅の改装計画がある。ターミナル再開発で出遅れている近鉄は、本拠地の阿部野橋の集客力を高め、キタ、ミナミと並ぶ商業集積地にする狙いだ。