文化審議会の答申で国立西洋美術館が文化財登録を受ける方針になったと、東京新聞が伝えています。ル・コルビュジエの建築群がユネスコ世界遺産に登録されるのに併せた、例外的な措置のようです。その他、今回リストアップされたのは
お茶の水女子大学の本館(1932年竣工)など。
西洋美術館、重文指定へ 文化審が答申
東京新聞:2007年12月8日
文化審議会(石沢良昭会長)は七日、国立西洋美術館本館(東京都台東区)を重要文化財に、お茶の水女子大本館(同文京区)など二百八件の建造物を登録有形文化財にするよう渡海紀三朗文部科学相に答申した。文科相は近く答申通りに告示する。
建造物分野では、重要文化財は二千三百二十八件、登録有形文化財が六千八百三十三件になる。
一九五九年完成の国立西洋美術館本館は「近代建築の巨匠」とされるフランス人建築家ル・コルビュジエが設計。日仏など七カ国にあるコルビュジエ建築計二十三件を七カ国連名で世界文化遺産に一括登録する手続きを進めており、来年一月の国連教育科学文化機関(ユネスコ)への登録推薦に備え、保護態勢を整えるため重文指定を答申した。
これまで建造物の重文指定は築五十年以上が対象で、築四十八年の同本館の指定は初のケース。
お茶の水女子大本館は、旧校舎が関東大震災で焼失したため三二年に再建された。玄関周りの外壁に植物文様のレリーフを飾るなど女性的な意匠が特徴。
登録有形文化財には、旧佐渡鉱山(新潟県佐渡市)の中心的施設の大立竪坑櫓(おおだてたてこうやぐら)や、赤れんがの外観が特徴的な旧岡崎銀行本店の岡崎信用金庫資料館(愛知県岡崎市)なども答申した。