岡山日日新聞が、旧県警大正町宿舎の解体問題を報じています。既に閉鎖済みですが、周辺に住宅が密集していて解体工事が難しく、治安上問題化しているとのこと。
頭抱える県警 旧大正町宿舎解体めど立たず 住民「怖い」「もったいない」
岡山日日新聞:10/10-12:44
岡山県は行財政改革の一環として遊休資産の有効活用や売却を進めているが、03年4月に閉鎖した旧県警大正町宿舎(岡山市奉還町2丁目)は住宅や商店の密集地に立地しているため、解体、売却のめどが立っていない。岡山駅西口再開発が進み、土地需要の高まりで地域住民からも早期解体を求める声が上がる中、県警は頭を抱えている。
同宿舎は奉還町商店街の南側にあり、鉄筋4階建ての建物4棟(計52戸)が、2棟ずつまとまって建っている。敷地面積は3032平方メートル、建築面積は2383平方メートル。昭和20年代の火災で住宅が焼失した跡地に、1963年〜65年に建てられたという。老朽化が進み、03年4月から使用を取りやめた。 県警は解体して売却する方針だが、周囲は住宅や商店が密集し、道路も軽乗用車1台がやっと通れる狭さ。工事を行えば騒音や振動、粉じんで周囲にかなりの影響を与え、重機の搬入も難しい。
解体業者と工法の検討を進めているが「特殊な工法が必要となる上、費用もかなり掛かる」と県警会計課は話し、解体作業に入るめどは立っていない。 廃屋となった同宿舎は、若者のたまり場になり、非行の温床にもなった。地元の西大正町内会の宮脇正生会長(82)は「毎晩高校生が奥の方でたばこを吸い散らかしたり、自転車を放置したりしていた」と話す。
このため、県警は同町内会の要望などもあり、当面の措置として、入り口や窓をパネルでふさぎ、付近に防犯灯を設置。同町内会に有償で清掃などの維持管理を委託している。
声掛けなど町内会の努力もあり、現在は若者がたむろすることも少なくなったというが、治安に加え商店街に近く、駅西口の一等地にあることから、地元では「怖いので早く何とかしてほしい」「あのままではもったいない」との声が多い。宮脇会長も「公園や公共的な施設になるようにし、奉還町商店街の活性化につながるようにしてほしい」と訴える。
同課では「解体は住民に極力迷惑を掛けないようにしなければならず、かなりの困難が考えられるが、このまま放っておくつもりはない」としている。