高山市の造り酒屋、老田酒造店が経営難から土地を売却、江戸中期からの建物が取り壊されたそうです。
老田酒造店のホームページをリンクしておきます。世界遺産登録を目指す高山市にとっては貴重な資源の喪失です。
老田酒造取り壊し 江戸の土蔵など惜しむ声
読売新聞:2008.09.10
高山市の古い町並みの一角にあった造り酒屋「老田酒造店」(同市上一之町)の一部が取り壊された。市街地景観保存区域でなく、所有者の意向で自由に建物を取り壊すことができるが、「歴史ある建造物が失われ、高山の魅力の奥行きがなくなったようだ」などと惜しむ声が出ている。
同酒造店は江戸時代の享保年間1720年代の創業で、市内にある8軒の造り酒屋の一つ。約280年間、酒を造り続けてきたが、経営難から昨秋、食品関連企業グループの傘下に入り、土地や建物を売却。江戸中期に建てられたとみられる土蔵と、明治初期の母屋が今年7月に取り壊され、約1500平方メートル以上が更地になった。
市は1年前から、市街地景観保存区域にするよう地域住民らに働き掛けたが、まとまらなかったという。
市は、「高山祭」を行う国の重要伝統的建造物群保存地区がある古い町並みを核として、世界遺産登録を目指している。
今回、取り壊された場所はその周辺部にあたる大切な場所だった。市では今後、建物など建設計画が出された際、美しい景観と潤いのあるまちづくり条例に基づき、周囲の景観と調和する建物とするよう指導する。