80年ほどの歴史を持つ、旧東京拘置所の外壁が取り壊されるとのこと。毎日新聞が伝えています。
旧東京拘置所:外壁、来月取り壊し 敷地に公務員宿舎--葛飾
毎日新聞:2008.07.19
弁護士が登場するドラマの撮影現場などとして使われてきた旧東京拘置所(葛飾区小菅1)の外壁が来月末にも取り壊される。大正時代から受刑者や被告人と「娑婆(しゃば)」とを隔ててきた壁。内側の敷地には今後、公務員宿舎が建設され、周辺の景観も変わる。
東京拘置所などによると、取り壊されるのは旧東京拘置所の敷地を囲む高さ約5メートルの鉄筋コンクリート製の外壁の一部。旧拘置所の敷地の東側、北側、南側の計約590メートルで、1925年ごろに建てられた。当時は小菅刑務所の外壁だった。
戦後の1945年、巣鴨の拘置所が米軍に接収された後、東京拘置所が刑務所に併設され、71年に刑務所が廃止された。その後は東京拘置所の壁となっていた。壁の上には今も、当時使われた周囲や施設内の監視用の施設が残っている。
これまで、東側の壁は綾瀬川の堤防との間に道があり、人が近づくことができた。ドラマなどで、弁護士が被告人に接見する場面の撮影現場としてよく使われていたという。
取り壊しは8月末~9月中旬にかけて行われる予定だ。
敷地内には高層の新拘置所が建てられ、拘置所として使われなくなった敷地は03年3月に財務省の所管になった。さらに国家公務員の宿舎設置計画により、今年1月には関東財務局の管理下となった。宿舎4棟(220戸)が、10年度内に完成することになっている。