東京理科大学のキャンパス再開発が行政の帰省により遅れていると、毎日新聞が伝えています。一方、地元はシャッター通りとなっており、影響は大きい様子。また、東京理科大は10月には葛飾区の大学誘致事業に応募ししばらくの間、
校舎を改修して暫定利用する方針を打ち出しています。地元の再開発はどうなってしまうのでしょうか?神楽坂の動向には今後も注目が必要です。
神楽坂:再開発、大幅に遅れる コストかさむ仮住まい、地権者が悲鳴
毎日新聞:2008.07.08
理科大の124メートルビル、新宿区が難色
しっとりとした情緒が人気の新宿区・神楽坂の一角が、2年ほど前から店舗が次々に閉まった「シャッター通り」になっている。近くにキャンパスを構える東京理科大の再開発計画が大幅に遅れ、その影響で同大と地元の地権者による共同ビルの建設が頓挫しているためだ。最近になって計画は再び動き出したが、都心の小さなゴーストタウンは、もうしばらく残りそうだ。
JR飯田橋駅に近く、理科大の敷地に隣接した神楽坂2丁目の約1500平方メートルがその地域。狭小なキャンパスの床面積拡大を目指す理科大側と、店舗や住宅の建て替えを検討していた地元側との思惑が一致し、04年に等価交換方式で共同ビルを建設する基本協定を結んだ。8階建てのうち3階までを地権者側の店舗と住宅、4階以上は理科大の大学会館とする計画だった。
06年4月着工、今年4月完成を予定していたが、もくろみは大きく狂った。共同ビル予定地南側の区道は幅約4メートルだが、理科大のキャンパス再開発により幅6メートルとなる前提でビルを設計していたためだ。
区は06年3月に区内ほぼ全域に高さ制限を設け、地域の環境や防災にプラスになる場合などに限って要件の緩和を認めている。高さ40メートルの制限を大幅に超える124メートルのビルを建てる理科大のキャンパス再開発に新宿区は難色を示し、こう着状態に陥った。結果、区道拡幅が遠のき、共同ビルも建設できない状態が続いてきた。
昨年8月に区と理科大の話し合いが再開。キャンパス再開発ビルは高さ90メートル程度として防災機能を持たせ、共同ビルは現在の区道を前提に8階建てから7階建てに設計変更して今年度内に着工する方向で調整を続けている。
計画の遅れで打撃を受けたのは店を構えていた地権者たちだ。多くはコストのかさむ仮住まいを続けており、「早く完成しないと戻ってこられなくなる」と悲鳴が上がる。残る一部の店も空き店舗に囲まれて苦戦を強いられている。
理科大は1906年に神田から神楽坂へ校舎を移転して今年で102年。原文雄同大常務理事は「地元とは良い関係を保ちたい。シャッター通りとなっているのは大変残念。早く着工にこぎつけたい」と話している。