建設通信新聞が、新宿駅の再開発について伝えています。JR東日本が事業主体となり2016年度を目指し東西通路の拡幅に着手するとのこと。記事では、これによって東西の再開発が進む可能性を伝えています。先日、退店勧告を受けているとお伝えした
ベルクも入居する
ルミネエスト、
京王百貨店、三越との経営統合を果たした
伊勢丹会館など。今後も注目が必要です。
東西自由通路,08年度に設計/新宿駅周辺の再整備が始動
建設通信新聞:2008年1月22日
新宿駅周辺の再整備が始動へ——。東日本旅客鉄道(JR東日本)と小田急電鉄、東京都、新宿区の4者は、新宿駅の東西自由通路の整備に向け、年度内にも実現や費用負担に関する覚え書きを締結して整備に着手する。JR東日本が事業主体となり、2008年度に設計に入り、16年度の完成を目指す。区では、駅周辺の開発の動向をにらんだ上で都市計画決定する見通しで、今後1、2年かけて整合を図っていく。東西自由通路の整備が始動することで、駅東西にある複数の開発計画に拍車がかかりそうだ。
東西自由通路は、新宿駅構内にある長さ100mの北通路(青梅通路)を、現行の幅17mから25mに拡幅する計画で、通路の両端にある改札ゲートを移設して旅客以外でも通行できるようにする。地下鉄副都心線の6月開通を控え、新宿駅の東西で回遊性を高める主要な公共歩行者通路として、検討が進められてきた。
整備は、08−09年度に設計を進め、10年度の着工、16年度の完成を目指す。都市交通システム整備事業を活用して国土交通省、新宿区、JR東日本で費用を負担する。JR東日本が単独で整備する約12億円を含め、総事業費は約118億円となっている。
区では、これまで今年度内の都市計画決定を目指してきたが、東西駅前広場の整備や駅ビルのあり方も考慮し、その整合性を図っていく考えだ。今後1、2年かけて、駅周辺の全体像も含めて都市計画決定へ手続きを進める。
駅に接続したビルでは、それぞれ建て替え計画が浮上している。東口では、JRグループ会社のルミネが運営する「ルミネエスト」(新宿3−38−1)の建て替えについて検討に入る見通しだ。規模は、地下2階地上8階建て延べ4万2900m2。1964年に開業した。地下部分は新宿駅と接続し、飲食、物販店舗の入居する商業ビルとなっている。
伊勢丹では、本館に隣接する敷地で、都市再生特別地区制度を活用した建て替え構想がある。本館の西側にある「パーキングビル」(新宿3−16、敷地面積約2000m2)やその北側で靖国通りに面した「伊勢丹会館」(同3−15、約1000m2)などを活用する考え。方針や開発する時期は明らかにしていない。
ただ、三越と経営統合したことで、新宿通りをはさんだ商業ビル「三越アルコット」を伊勢丹の店舗として整備する構想も浮上しており、スケジュールは流動的だ。新宿区では、建て替えをにらんで駅東口地区まちづくり誘導方針の策定作業を進めている。同地区まちづくり構想策定業務は、トデックが担当している。
一方、西口では、京王百貨店新宿ビル(同1−1−4)の建て替え計画が持ち上がっている。既存施設の規模はS一部SRC造地下2階地上8階建て塔屋3層延べ8万0571m2で、64年に開業した。97−98年には、改修工事や制震補強工事(施工=鹿島)を実施している。現段階では、10年後以降のタイミングで検討を本格化させる見通しだ。