以前からお伝えしている仙台政府倉庫の解体工事が始まったそうです。市民団体らの保存の声もありましたが、部分保存も難しいとのことで全体が取り壊される見通しです。
政府倉庫の解体開始 仙台市「保存難しい」
河北新報:2008年6月3日
仙台市は2日、宮城野区新田2丁目の「仙台政府倉庫」の解体工事を始めた。今月中旬にも屋根瓦の撤去など倉庫本体の解体作業に入る。市民団体は施設の部分保存を訴えているが、市は施設をすべて取り壊す方針を変えていない。コメの備蓄基地として戦前、戦後の食料を支えた施設は8月末までに姿を消す。
解体は、青葉区・追廻地区住民の集団移転先として集合住宅などを建設するため。2日は機材の運び込みや、倉庫周辺の仮囲いなどをした。
政府倉庫は、米価の乱高下抑止などを目的に1936年に建設された。約70年間、コメの備蓄倉庫として活用され、老朽化のため2005年3月に廃止された。
仙台市の市民団体「まち遺産ネット仙台」(西大立目祥子代表)が、倉庫を保存して東仙台の街づくりに生かすことを訴え「建物の歴史的価値を生かした活用策を考えてほしい」と、施設の部分保存などを市に求めた。
市は、追廻地区住民と長年にわたり続けてきた集団移転交渉の経緯を説明し、倉庫の部分保存や解体の延期は難しいとの姿勢を示していた。
梅原克彦市長は2日の定例記者会見で「小樽や横浜、ニューヨークなど国内外には倉庫を活用するケースはよくあるが、そういった集客力のある場所という観点では、仙台政府倉庫の保存は難しいと考えている」と理解を求めた。